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2018/01/22

冷え症に使われる漢方について

テーマ:勉強会memo

【担当】かいてき調剤薬局空港通店

平成29年12月8日

【講師】株式会社ツムラ

医薬品名: ツムラ(12)柴胡加竜骨牡蛎湯(以下、ツムラ(12))
ツムラ(26)桂枝加竜骨牡蛎湯(以下、ツムラ(26))
ツムラ(38)当帰四逆加呉茱萸生姜湯(以下、ツムラ(38))

効能効果:・ツムラ(12)
比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の症状:
高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓炎、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎てんかん患者の下記発作に対する単剤療法
     ・ツムラ(26)
下腹直腹筋に緊張のある比較的体力の衰えているものの次の症状:
小児夜尿症、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎
・ツムラ(26)
手足の震えを感じ、下肢が冷えると下肢又は下腹部が痛くなり易いものの次の症状:
しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛

内容
冬場のこの時期、冷えを主訴とする患者が増えてくるため、漢方の観点から冷え症について解説。漢方では病態診断のため、不調の原因をはかるものさしとして「気・血・水」の考え方が重要とされる。冷え症についても「気・血・水」の概念から、下図の①~③に分類され、さらに「ストレス関与型」を加えることができる。

図:冷え症の4分類と処方鑑別

分類主な症状処方名
①新陳代謝低下型(気虚や腎虚の状態)胃腸が弱い人参湯、六君子湯
下痢を起こしやすい真武湯
腰痛、頻尿八味地黄丸、牛車腎気丸
疲れやすい、風邪をひきやすい補中益気湯、十全大補湯
②血流障害型
(瘀血、血虚の状態)
下腹部痛、しもやけ当帰四逆加呉茱萸生姜湯
月経痛、むくみ当帰芍薬散
便秘、イライラ加味逍遥散
より虚血が強い場合四物湯、温経湯
より瘀血が強い場合桂枝茯苓丸、桃核承気湯
③水分貯留型(水毒の状態)むくみやすい五苓散、防已黄耆湯
頭重感・めまい当帰芍薬散、半夏白朮天麻湯
冷えのぼせ、めまい、耳鳴り苓桂朮甘湯
下痢、立ちくらみ真武湯
④ストレス関与型不眠、いらいら、怒りっぽい、落ち込みやすい等半夏厚朴湯、抑肝散、柴胡加竜骨牡蛎湯桂枝加竜骨牡蛎湯等

今回は、標記の3品目(図内では下線)の紹介があり、特にツムラ(38)は冷え症の第一選択薬といえ、血行を改善する当帰及び芍薬が含まれ、冬場のしもやけに対してよく使用されている。なお、名称にある「四逆」とは、漢方の用語で、手足の血行が途絶えている状態でも漢方の診断上の概念での血行途絶)を示す。
ストレス関与型としてツムラ(12)及びツムラ(26)がある。体質の鑑別のものさしである「証」で分けると、前者が実症、後者が虚症となっている。

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